メジャーリーグベースボールは火曜日、パドレスの内野手兼外野手であるトゥクピタ・マルカーノ選手を、リーグのスポーツ賭博の規則と方針に違反したため永久出場停止リストに入れた。他の4選手も賭博関連の違反で1年間の出場停止処分を受けた。
アスレチックスの右投手マイケル・ケリーは1年間の出場停止処分を受けた。マイナーリーグのジェイ・グルーム（パドレスの左投手）、ホセ・ロドリゲス（フィリーズの内野手）、アンドリュー・サールフランク（ダイヤモンドバックスの左投手）も同様の処分を受けた。5人の選手はMLBの捜査局による調査の結果、リーグの賭博規定に無関係の違反をしたとして処分を受けた。
メジャーリーグ規則第21条では、「いかなる選手、審判、クラブ、リーグの役員、従業員であっても、その賭けをする者が義務を負っている野球の試合にいかなる金額であれ賭けた場合、永久に資格を剥奪される」と規定されている。また、この規則では、「賭けをする者が義務を負っていない野球の試合に賭けた場合、1年間資格を剥奪される」とも規定されている。
リーグによれば、5人の選手はいずれも賭けた試合には出場しておらず、賭けに関する内部情報を持っていたことも否定している。
MLBによれば、賭けデータは、これらの選手が賭けた試合の結果が何らかの形で侵害されたり、影響を受けたり、操作されたりしたことを示唆するものではないという。
「賭博行為を規制するメジャーリーグの規則と方針の厳格な施行は、ファンのために試合の公正さを守るという我々の最重要課題の維持に欠かせない要素です」とロブ・マンフレッドコミッショナーは述べた。「メジャーリーグの試合に賭けることをスポーツ関係者が禁止することは、1世紀以上にわたって基本原則となってきました。我々は、野球でプレーする特権には、他の人にとっては合法である特定の種類の行為を控える責任が伴うことを明確にしてきました。」
「最高裁の判決によりスポーツ賭博の合法化が実現して以来、私たちは認可を受けたスポーツ賭博運営者やその他の第三者と協力し、規制されたスポーツ賭博システムがもたらす透明性を通じて、誠実性の観点からより良い立場を確保してきました。MLBは、私たちのゲームのこの基本ルールを厳格に遵守することを目標に、誠実性の監視、教育プログラム、意識向上活動に引き続き多額の投資を行っていきます。」
選手たちは誰一人として、その処分に対して異議を申し立てていない。
リーグの調査には、インタビュー、各事案で入手可能な情報の徹底的な検討、MLBの合法的なスポーツブックパートナーからの多大な協力が含まれていた。
2024年3月、合法的なスポーツ賭博運営業者が、複数のメジャーリーグおよびマイナーリーグの選手に関連するアカウントから過去の野球賭博活動を特定したことをMLBに報告した。MLBは、その運営業者と他のスポーツブックから、賭けの認証データを含むデータを入手した。
賭けデータによると、マルカーノは2022年から2023年にかけて、合法的なスポーツブックを通じて、231件のMLB関連賭けを含む387件の野球賭けを行った。マルカーノのMLB賭けは、一般的にパーレーだった。MLB関連の複数の賭けを含むものもあれば、MLB関連の賭けとMLB以外の賭けの両方を含むものもあった。
マルカーノは合計で野球に15万ドル以上を賭け、そのうち8万7319ドルはMLB関連の賭けだった。この期間にマルカーノが賭けたMLBの賭けのうち、25回はピッツバーグのメジャーリーグチームに所属していたときのパイレーツの試合だった。しかし、マルカーノは昨年7月24日にシーズン終了となる膝の怪我を負って負傷者リストに入っていたため、賭けた試合には1回も出場しなかった。
マルカーノはパドレスとパイレーツでメジャーリーグ3シーズン（2021～23年）をプレーし、打率.217、出塁率.269、長打率.320、本塁打5本を記録した。昨年7月に前十字靭帯を負傷して以来、MLBの試合には出場していない。昨年11月にパドレスがウェーバーで獲得した。
パイレーツは、MLBの発表を受けて、次のような声明を発表した。「我々はトゥクピタの行動に非常に失望しており、メジャーリーグの判決を全面的に支持します。パイレーツは、MLB、選手協会、各クラブとともに、我々のゲームに関わるすべての人が賭博に関する規則と方針を認識できるように取り組んでいます。徹底的な調査の結果、今回の件でゲームが危険にさらされたり、影響を受けたり、操作されたりしたという証拠は見つかりませんでしたが、我々のゲームの完全性を守ることが最も重要です。」
ケリー氏は、テキサス州シュガーランドにあるアストロズのトリプルA傘下チームに所属していた2021年10月5日から17日の間に、メジャーリーグの9試合に絡む10件の賭けを行っていたことが判明した。ケリー氏の賭けには、結果、得点数のオーバー/アンダー、個々の投手の三振数への賭けが含まれており、そのうち3試合はアストロズのメジャーリーグチームが関わったものだった。
ケリーはMLBの試合に合計99.22ドルを賭け、そのうち5回勝って純利益は28.30ドルとなった。彼は賭けたどの試合にも出場せず、担当チームに関する賭けも行わなかった。
MLBがケリー選手の出場停止を発表した後、アスレチックスは以下の声明を発表した。「アスレチックスとしてはマイケル・ケリー選手の件を知り残念に思っています。詳細についてはコメントできませんが、この違反はマイケル選手がアスレチックスに入団する前に起きたものであり、我々はMLBのスポーツ賭博に関する方針と、規則21条の全条項を順守する必要性を完全に支持します。我々は今後も、方針に基づく義務について、組織の全メンバーに教育を続けていきます。」
グルームは2020年から2021年にかけてMLB関連の賭けを32回行っていたことが判明しており、そのうち24回はサウスカロライナ州グリーンビルにある同団体のハイA傘下チームに所属していたときにレッドソックスメジャーリーグクラブに関係したものだった。これら24回の賭けはすべて、試合の最終結果に関するものだった。
グルームは合計で30のMLB試合関連の賭けに453.74ドルを賭け、それらの賭けで433.54ドルの純損失を被った。グルームは賭けたどの試合にも出場せず、担当チームに関する賭けも行わなかった。
ロドリゲスは2021年から2022年にかけて、MLB関連の賭け28回と大学野球の試合への賭け3回を含む31回の野球賭博を行ったが、そのすべてはホワイトソックスとのマイナーリーグ契約中に行われたものだった。
彼がMLBで賭けた賭けの中には、アラバマ州バーミンガムにあるホワイトソックス傘下のダブルAチームに所属していたときに、メジャーリーグのチームに関係した賭けが7回含まれていた。チーム関連の賭けのうち2回は試合結果に関するもので、残りは試合で得点された得点のオーバー/アンダーに関するものだった。
ロドリゲスは野球に合計749.09ドルを賭け、そのうち724.09ドルはMLB関連の賭けに賭けた。ロドリゲスは賭けたどの試合にも出場せず、担当チームに関する賭けも行わなかった。
賭けのデータによると、2021年から2022年にかけて、ザールフランクは29回の野球賭けを行っており、そのうち28回はMLB関連の賭け、1回は大学野球のパーレーだった。当時、彼はダイヤモンドバックスとマイナーリーグ契約を結んでおり、アリゾナのシングルA傘下チームの故障者リストに入っていた間に、ダイヤモンドバックスに関する4回を含むMLB関連の賭けをすべて行っていた。
ザールフランクは野球に合計445.87ドルを賭け、そのうち444.07ドルをMLB関連の賭けに賭け、MLBの賭けで272.64ドルの純損失を被った。ザールフランクは賭けたどの試合にも出場せず、担当チームに関する賭けも行わなかった。
MLB は、各グループに適用されるポリシーを強調したスポーツ賭博教育プログラムに毎年参加することを職員に義務付けています。毎年の春季トレーニングでは、メジャーリーグとマイナーリーグのすべての選手が、メジャーリーグ規則 21 条と MLB のスポーツ賭博ポリシーの要件、およびその他のベスト プラクティスを規定する対面セッションに出席する必要があります。
MLB は、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせる選手、メジャーリーグに近づく選手、そして新シーズンが始まる選手を対象に、英語とスペイン語による啓発プログラムを幅広く開催しています。MLB の取り組みには、マイナーリーグの選手やその他の野球関係者を対象に、職業生活や私生活でギャンブル関連の害を避けるための対面セッションも含まれています。
